日食観察のススメ

日食観察

太陽の光はとてもまぶしいですね。肉眼で直接太陽を見ようとしても、まぶしくて目を開けてられません。皆既日食の際、普段は光球の輝きに妨げられて見ることができないコロナや紅炎の観測が可能になり太陽の構造・物理的性質を調べる絶好の機会となり、太陽のみならず恒星一般の研究にも大きな役割を果たします。月の表面にある起伏の谷間から太陽の光が点々と見える状態になることがあります。これを、原理を解明したフランシス・ベイリーの名を取ってベイリー・ビーズ(ベイリーの数珠)といい、古くから月に起伏がある証拠とされてきました。

奄美大島への旅

皆既日食と空

皆既日食が起こると空がかなり暗くなり星の観測も可能な状態になります。そのわずかな時間を利用して1919年、一般相対性理論の検証がアーサー・エディントンによって行なわれました。

皆既日食と星

皆既日食中に太陽周辺の星を観測すると、星からの光は太陽の重力場を通ってきて屈曲することになります。一般相対性理論で予想される方向と実際に観測された方向とを比較することで、一般相対性理論の確かさが確認されました。

ダイヤモンドリング

太陽がすべて隠れる直前と直後(より正確には直後のみ:直前はリングにあたるコロナが見えないので)には太陽の光が一ヵ所だけ漏れ出て輝く瞬間があり、これをダイヤモンドリングと呼びます。

観測方法と注意点

おどかすつもりはありませんが、無理をして太陽を見続けると失明の危険があります。「ちょっとだけ太陽観察!」と、安易に考えてしまいそうですが、実は危険と隣り合わせなのです。ここでは太陽光がなぜ危険なのか、どのくらい、どのように危険なのかを解説します。太陽光は光量が大きく有害な紫外線なども含まれるため、肉眼で直接観測すると日食網膜症を引き起こし、網膜のやけどや後遺症、ひどい場合には失明を引き起こすことがあるため一定の性能を満たした観測機器が必要となります。

太陽光の種類

いわゆる光(電磁波)は、肉眼で見ることができる可視光線と、肉眼では見ることができない不可視光線の、二つに大きく分類されます。

可視光線

幅広く存在する光の波長の中で、可視光線と定められた波長はごく一部にしか過ぎません。しかし、可視光線は太陽光の大部分を占めており、これを人間の目が捉えて太陽の明るさを感じます。また最近は、波長が400nmから500nmのブルーライトとよばれる可視光線が目に強く作用し、強いブルーライトは少し見ただけでも、失明の危険があることがわかってきました。肉眼で見たときにまぶしく感じる太陽光ですが、波長の違いによって赤、橙、黄、緑、青、紫などの色を持った光に分かれます。太陽が放つ可視光線は、これらの色を持った光を寄せ集めたものです。プリズムに光を通すといろいろな色に分かれるのはご存知ですね。虹をご覧になっても、太陽光がいろいろな色の光の寄せ集めであることがわかります。

不可視光線

不可視光線は、可視光線よりも波長の短い側は紫外線、X線、ガンマ線などがあります。また、波長が長い側は赤外線、電波などがあります。右の図では、赤外線は電波に含まれています。このうち特に赤外線と紫外線は、目に悪い影響をおよぼすとされています。これらは不可視光線だけに、人間の目には見えません。目に届いていても全く気づかないわけですから、日食などの太陽観測では特に注意しなければなりません。

ブルーライトについて

可視光線は目への害が少なく、目に損傷を与えるのは主に赤外線だと言われてきました。しかし最近では、目への損傷は可視光線のブルーライトとよばれる青い光による光化学反応が原因ではないかという考え方が広がってきています。可視光線は目にとっと有害です。また、ブルーライト以外の光であっても、太陽のような強い光線を見続けるのは目に良いはずがありません。加えて可視光線を弱めないことには、太陽がまぶし過ぎて、日食観察どころではないでしょう。

日食観察の注意点

日食観察の注意点のポイントをまとめました。

(1)強い太陽光
日食中の太陽は月に一部が隠されているとはいえ、強い光と熱を発していることに変わりはありません。正しい方法で観察しないと、楽しい日食観察が行えないばかりか、目を傷めたり失明の恐れがあって大変危険です。
(2)危険な観察方法
安全に観察するためには太陽の光を減光する必要がありますが、目に見える光(危険なブルーライトを含んだ可視光線)を減らすだけでは不十分です。目を損傷する恐れのある赤外線や紫外線をカットしないと意味がありません。
誤った観察方法

次のような観察方法は目に損傷を与えてしまう危険がありますので、このページを読んでいる皆さんは決して行わないようにしてください。

(1)肉眼による直接観察
ブルーライトをはじめ、赤外線や紫外線によって目を傷めたり失明してしまうかもしれません。ほんの数秒間でも絶対に太陽を肉眼で直接見ないようにしてください。
(2)感光したフィルム
銀塩カラーフィルムの感光した部分は、光を通しにくくなっているように思いますが、赤外線を通してしまいます。決して使用しないでください。銀塩の白黒フィルムが感光した黒い部分はいちおう使用できますが、もともと太陽観察用に作られたものではありません。長く見続けないようにしてください。
(3)黒い下敷きやCD
見た目はまぶしくなくなりますが、実はこれが一番危険です。赤外線を通す上に、見た目はまぶしくありません。つい長く見続けてしまって失明の危険が高まります。
(4)黒いサングラスやゴーグル
もともと太陽を見るために作られたものではありません。光の遮断そのものが不十分ですから使用しないでください。
(5)黒マジックを塗った透明な板
マジックの塗り方にムラができてしまいます。ムラの隙間を通った太陽光が目に届くので危険です。ろうそくでススをつけたガラスも同じです。以前は安全な太陽観察方法と言われていた時期もありましたが、現在はオススメできない方法とされています。
(6)カメラ撮影用の太陽専用減光フィルター
見続けなければ使用可能なケースもあるようですが、もともと撮影用に作られたもので用途が異なります。赤外線や紫外線のカットが不十分な恐れがありますので、オススメできません。日食グラスの代用としては、使用されない方がよいでしょう。
(7)双眼鏡や望遠鏡を直接のぞく
光がレンズで集められて肉眼よりも太陽光が強まり、もってのほかです。ただし、減光フィルターなどで適切に減光処置されている場合は問題ありません。
(8)双眼鏡や望遠鏡を日食グラスを通してのぞく
日食グラスは肉眼で観測するためのもので、光を集めて観察することを想定していません。また接眼側で使用すると、フィルター部分が太陽熱で溶けてしまうかもしれません。非常に危険ですから絶対におやめください。

鏡を使った日食観察

(1)小さな鏡を使う
安全に日食観察できる方法の一つに、小さな鏡を使う方法があります。日食中の太陽像を鏡で反射させ、壁などに投影するのです。この方法もピンホールの原理を応用したもので、手軽に日食中の太陽を観察することができます。次の投影方法のところで説明しますが、大きな鏡よりも小さな鏡の方が良いでしょう。女性の方なら携帯用の手鏡があれば、それで十分です。
(2)投影方法
鏡と壁の距離は、鏡の大きさの200倍以上離してください。壁から十分離れることにより、鏡の形状によらず太陽の正しい形がわかるようになるからです。例えば鏡の大きさが5cmの場合は10m以上離してください。小さな鏡の方が壁との距離が短くてすみますから、扱いやすくて良いでしょう。
(3)紙で覆う
もし大きな鏡しか用意できない場合は、小さな穴の空いた紙で鏡全体を覆うと、小さな鏡の代用にすることができます。また投影する壁に黒い紙を貼り付けておくと、太陽の形がわかりやすくなります。鏡に反射した光をのぞき込んで直接太陽像を見ないようにしてくださいね。
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